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この空を飛べたなら...②

生まれた時は、

羽根は真っ白で、ふわふわしてて、

真珠のパウダーでもふりかけたかのように

キラキラしているんだろうな。


でも、大人でそんな羽根の人は誰もいない。

私と同じように、誰の羽根もみんな

うす汚れて、抜けて、くたびれて、

千切れてしまったり、折れ曲がったり.....。


ゆうゆうと飛んでいるように見えた人達は、

目を凝らしてよ~く見てみると、鳥だったり、雲だった。


私達にはみんな羽根があるけれど、

みんな飛べなくて、地べたを歩いていた。

私も歩いた。

前はそれが嫌で、悲しくて、何で自分だけ、とか

辛くて仕方がなかったけど、

今は、飛べないまま、折れ曲がったまま、

痛みをこらえながら、羽根を引きずって歩き続ける自分も

前ほど嫌いじゃなくなった。


あ~あ、曲がっちゃってんな~、半分千切れたな~、と思いながら

トボトボ、テクテク 歩く。

立ち止まって、空を見上げて、ため息ついて、また歩く。

もう疲れた~って、泣いて、休んで、また歩く。


そうやって、目の前の生活に必死に喰らいついていると、

あ!今って私けっこう飛んでたんじゃない!?って気づく時もあって。

でも、すぐにいろんなものがのしかかってくるし、

雨に打たれて、翼はぐっしょり重たくなるし、

結局、翼を引きずって歩いている時間のほうが、

ずっとずっ~と長い。

もうずっ~と地べたを歩いていけばいいじゃん、と思えたら楽なのに、

私はどうしても飛ぶことをあきらめられない。


でも段々、案外飛べずに歩いている時間のほうが大事なのかな、と思うようになった。

だから、飛べない時はなるべく空は見ない。


前は、空ば~っかり見てて、

アホみたいに首が痛くなるほど上ば~っかり見てて、

足元の石ころにつまづいて転んだりした。


今は、意識的に地べたを見るようにしている。

そこでちゃんと生きてみるというか、

周りを見たり、足元を見たり、同じように歩いている人を見たり。

そういうものって、飛んでる時には絶対に見えないものたちだ。

それらが私には愛しくてならない時がある。

それらをちゃんと見るために、私は歩かされているんだ、と思う時がある。

だから今は、

「飛ぶ事」がすべてじゃない。

「飛ぶ方法」だけが大事じゃない、と少しづつ思うようになった。


それでも、強欲な私は片時も空の事は忘れない。

忘れないけど、

飛べない時は地べただけ見て生きるようにしている。


時折、黒ずんだ羽根をバサバサッと広げてみる。

積もったホコリを取るために。

ホコリと一緒に、キラキラした粉が混じって降ることがある。

12年前に折れた翼は、いつの間にか直った。


今は、この汚い羽根がいとおしい。

貧相で傷だらけだけど、これが私の生きてきた証だから。

これからも、この翼と共に地べたで生きていく。


いつか、この大空を自由に飛べる日を夢に見ながら....。


     注)このお話はフィックション です。(くしゃみの方

 


追記、

  ここ2、3日は、中村あゆみの「翼の折れたエンジェル」をよ~く口ずさんでいました。

                  (知らない方は、ズバリ、若いでしょう~!)

     「Uh~~~~~翼の折れたエンジェ~~ル♪

        あいつも~Uh~~翼の折れたエンジェ~~ル

          みんな飛べないエ~ンジェ~~ル♪♪」 

                  

                    Oh~!!おんなじじゃん!?






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Re: 翼

よっこさん、こんばんは。

あら~、息子さんとの旅を思い出してくださったんですね~!
いいですね~。
ちょっとおマセな歌だけどね!!そこがまたいいけどね!笑
「翼をください」私も大好きな歌です!

よっこさんがいつもブログに載せる写真から、よっこさんの自然への優しい視線を感じています~。

Re: No title

kinakoさん
コメントありがとうございます。

全然変なこと言ってません。
「もしかしたらこの人たちは何も感じていないじゃないかと思い込んでいた人たちも同じように折れた羽を引きずりながら、でもとぼとぼと歩いているんじゃないか」というところにとても感動しました。
私も、自分ばかりが辛い思いをしていて、他の人達は簡単に生きているように感じていました。
そのころは、本当に孤独でしたね。
自分のことしか見えてなかった。自分のことすらちゃんと見えてなかった。です本当に。
でも、空を飛ぶことをあきらめられなかったから、きっとここまで歩いてきたのだとも思っています。

六花さん、こんばんわ。
「翼の折れたエンジェル」の歌を何度も何度も聞きながら息子の
運転で四国旅行したのを思い出しました、
私は「翼をください」が好きで、たまに口ずさみます。
毎日、空を見上げて雲と鳥をただ見ています。
私の好きなひとときです。

No title

共感できる詩人の六花ちゃんへ
私も一緒です。10年くらいは折れた羽の痛みを一番近しいはずの主人にも何もいえなかった。でもあれから時がすぎて、もしかしたらこの人たちは何も感じていないじゃないかと思い込んでいた人たちも同じように折れた羽を引きずりながら、でもとぼとぼと歩いているんじゃないかと最近になって気が付きました。ただそれを我慢する経験が欠けていたのは自分だったんじゃないかと。まさに六花ちゃんが教えてくれたnegative capabilityです。羽の埃を払いながらも空を見上げずにはいられない、そこがまたいいんだよね。また、変なこといってる?
プロフィール

六花

Author:六花
ブログへようこそ。
六花と申します。
10代の頃から神経質症に陥り
30代でうつになりました。
今は森田療法のおかげで、元気に暮らしております。
そんな体験からこのブログを始めました。
日本由来の森田療法を多くの方に知ってもらいたいと願っています。

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