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墓前祭 報告....③

私はのいち駅に戻り、タクシーを拾った。

ここから兎田(うさいだ)地区の、先生の生家までは約4キロ。

歩けば1時間。

車なら10分ほどの距離だ。


「生家保存の会」の方が下さった、住宅地図のコピーを持っていたが、

「森田正馬先生の生家に行きたいんですが、分かりますか?」と聞いたら

「分かりますよ~」と言ってくれた。

 よかった....

タクシーのおじちゃんも、しっかり日に焼けていた。

あまりにすぐ分かってもらえたので

「地元では、森田先生は結構有名なんですか?」と聞いてみた。

そしたら、

「いや~~~、どうでしょう~?

    あんまり知ってる人はいないんじゃないですかね~~。」と言われた。


ガックシ。


あ~~そうか~~。

墓前祭があるから、タクシー会社の人には、

生家やお墓は連絡してあったのかもしれないな。と思った。

この2、3日、私のような人はたくさんいただろう。


のいち駅を離れ、東のほうへと走っていく。

すぐに景色は緑、緑、緑になっていく。

左手には山が迫り、右手は田畑が広がっている。  

空はひたすら青くて広い。


ほどなく「ここですよ」とタクシーは止まった。

古い土塀に囲まれた、周囲より明らかに古ぼけた一角が、先生の生家だった。

立派な門はがっちり閉まっていて、中には入れない。

高良武久先生の字で

  「森田正馬先生 生誕の地」

   と掘り抜かれた石碑があった。


森田少年は、ここで大きくなった。

小さい頃は、ニコニコしていて近所の年寄り達によく可愛がられたのだとか。

いつもヘラヘラしているから、ちょっと頭が弱いんじゃないのか、

と言われ、中学の頃笑うのをやめた先生。

なんか、かわい~。


強い日差しが照りつける中、生家は静かに建っていた。

取り壊しの対象になるのも分かる気がする。

ちょっとした衝撃でも、ガラガラと崩れそうな感じだ。

没後80年という事は、

この家は築150年以上は経っていることになる。

蝉の声だけが大音量で降り注いでいた。


そこからさらに5分ほど走り、お墓に行った。

お墓は、森田家だけの墓地だった。

すぐ横は開発中で、重機が山肌を削っていた。

お墓は最近建て替えられたようで、

まだ新しかった。


広いお墓のド真ん中に

   「森田正馬の墓」がある。

先生の墓標の側面には、

先生の人生と、業績がびっしりと細かい字で記されていた。

猛暑の中では、とても全部は読めなかった。


先生の墓の後方に、小さな墓標が4つ並んでいる。

先生のお父さんと、先生のお母さんと、

   先生の奥さんと、そして20歳で逝った先生の息子さん(正一郎さん)のお墓だった。

その並びの端には、先生と同じ大きさのお墓があり、

   それは、先生の弟さん(徳哉さん)のお墓だった。

    弟さんは、日露戦争で若くして戦死している。

 

当たり前だが、先生の家族がみんないた。

   高知の家族も、東京の家族も...

   先生が泣いて、笑って、ケンカして、愛した家族がみんなここにいた。

   高知に来て初めて涙が出た。


その日の夜、

息子とホテルからぶらぶら歩いて、中心街の居酒屋で夕食を取った。

これがとてもいい店だった。

何を食べても美味しかった。

カツオ、四万十川のエビ、あおさのり、サバ、カツオ味噌きゅうり...

海のものも、山のものも新鮮で、生命力があふれている感じだった。

そして、

店のお兄ちゃんが、これまたちょ~!イケメンだった!☆o(≧▽≦)o


私はつい飲みすぎた。

今日一日暑かったし、

先生のお墓参りができて嬉しかったし、

ご飯は美味いし、

お兄ちゃんはイケメンだし、

息子と二人でゆっくり向かい合ってご飯を食べるのも久しぶりで、嬉しくて。


夜風に当たりながら、またぶらぶら帰る。

「美味しかったねぇ」と息子と話していると、

どこからか、森田先生の声が聞こえてきた。


「そうだ~!土佐は、美味いもんがいっぱいあるんだぞ~!

        たんと食って、たんと飲んでけよ~!ワッハッハ~!」と。


夜空を見上げると、

街中なのに、空がすごく広い。

星がポチポチ出ていた。


「よさこい」の練習なのだろう。

    遠くで元気な掛け声と、鳴子の音が聞こえていた。



おしまい...






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Re: No title

匿名様
コメントどうもありがとうございます。

40年ですか~。すごいですね~。
お墓参りに行かないから「薄情」でもないと思いますよ。
森田先生は、そんなこと全く気にしないと思います。
お墓はいつでも行けますし、
もっと言えば、森田先生はお墓になんかじっとしてないと思います。
ある有名な歌のように、千の風になって、大空を吹き渡っているのではないでしょうか?
思いを馳せれば、いつでも心の中で会えますよ。

じゃあ、なんで私は行ったかって?
何ででしょうね~~。やっぱり近くまで行ったから?
でも、後で思ったんですけど、線香や花を持っていけばよかったかな~って。
本当に手を合わせただけ。
まあ、それも先生はなんとも思わないと思います。笑

No title

六花ちゃんの高知旅行のブログ読んで、私も行けばよかったと後悔してます。
森田を知って40年、ずいぶんお世話になったのに今まで墓参りもしなかった自分を随分薄情な人間だったと自覚しました。
上手いもの食べて、イケメンに会えてよかったですね。

Re: 墓前祭

みやたろうさん、
コメントありがとうございます。

「墓前祭」は「おしまい」です。
もう少し書きたいこともあるので、番外編で出していこうかな~、と思っています!

墓前祭

おしまい・・・ですか?敬愛する森田先生の生誕地を訪ね、また息子さんとの思い出深い旅ができてよかったですね。楽しく読ませていただきました。
プロフィール

六花

Author:六花
ブログへようこそ。
六花と申します。
10代の頃から神経質症に陥り
30代でうつになりました。
今は森田療法のおかげで、元気に暮らしております。
そんな体験からこのブログを始めました。
日本由来の森田療法を多くの方に知ってもらいたいと願っています。

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