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舌切り雀

トーク番組で、

ある女優さんが語っていた。


「舌切り雀」の、舌を切るおばあさん役をやったそうだ。

正確には、舌を切るのではなく、万力(まんりき)というペンチ的な物で、

舌を引っこ抜いたらしいが、(ヒ~っ!)

恐っろしい形相で引っこ抜く姿が、とてもハマリ役で、

評判になったのだそうだ。


女優さんはこんな風に言っていた。

「スズメの舌を切ってしまえ!という恐ろしい心と、

フワフワした小さなスズメは可愛らしい。という心と、

私の中に両方あるわけですよ。」

「それをどう表現しようかと思ってね。

雀の舌を切った後、空にぱ~っと放ってやりながら、

空に向かって、アハハハハ~!と笑ったのです。

明るく笑うことで、二つの気持ちが私の中で

中和されるっていう気がしましてね~。」


聞いていて、

それって「感情と理知の調整」に似ているなと思った。

「純な心」と、「理知」や「思考」。

「かくあるべし」だって、

人間は社会的動物だから、ある程度、枠組や約束事が必要なわけで、

代々命を紡いできた中で、年月をかけて脳みそや遺伝子の中に、

叩き込んできたもの多いだろう。

そんな暗黙の縛りの中で、私達の社会生活は成り立ってもいるのだろう。


そうした「思考」や「理知」と、「個としての欲望」の狭間で、

いつも葛藤する。

「純な心」だけで生きれば、語弊が生じるし、

「理知」だけで生きれば、息苦しい。

でも、私達にとってはどっちも大事で、

どっちも失くしちゃいけない。


「感情と理知の調整」

その両方をすり合わせ微調整していく時、

ちょうどいい加減なところにいけるのだと思う。


その女優さんの演技も、

ノリをなめてしまったスズメが、憎いばかりでもない。

スズメを哀れむ気持ちもある。

舌を切った後悔も、多分ある。


きっといつも心の中には、いくつもの感情がゴチャゴチャに

存在していて、どれが本当とか、どれが嘘とかでもなく、

そういう状態が、自然なのだろう。


ただの、恐ろしく見えるおばあさんの中に潜む、

小さな生き物への愛情。

それはとても人間のリアルな姿だと思う。

その方の演技の中に、人はリアルな感情を見、

心打たれるのかもしれない。


白雪姫に毒りんごを渡したおばあさんも、

ヘンゼルとグレーテルに釜で焼かれたおばあさんも、

きっとそうだった。

(どうして童話って、おばあさんばかりが悪者なの~?)


絵本の中の悪い魔女なんかじゃない。

ちょっと嫉妬深く、

ちょっと欲が深く、

生の欲望を忘れ、復讐心にとらわれた、

ただの人間の姿だったのかもしれない。







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六花

Author:六花
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六花と申します。
10代の頃から神経質症に陥り
30代でうつになりました。
今は森田療法のおかげで、元気に暮らしております。
そんな体験からこのブログを始めました。
日本由来の森田療法を多くの方に知ってもらいたいと願っています。

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