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薫風

今日みたいな日を五月晴れと呼ぶんですね。

暑すぎず、風は涼しく爽やかに吹き渡っていく。

木々の新緑が太陽にキラキラと輝いて...。


それなのに、天候とは裏腹に、私の心は重たい。

息子は、もう学校に行かない。

家にいるのはいいが、その調子は波があり、よく動く日もあり、

一日ご飯も食べずに寝ているような日もある。

そのたび私は一喜一憂している。

今日は、やっぱり一度病院にかかったほうがいいんじゃないかと思い、

あちこちに電話していた。


息子は起きているのか、寝ているのか

チラと覗くと、口を結んで目をつむっている。

私はその周りをバタバタと、洗濯物を干したり、

仕事の準備をしたり、掃除機をかけたりしている。

仕事に出かける時は、一応声を掛けて出かける。

今日は返事もなかった。

「きっと寝てるんだ。」そう思う事にする。


それでも一歩外に出れば、そんな気持ちのいい風に

少し心がほぐれる。

自転車を漕いでいる時も、息子のことを考えている。

お客さん家に着けば、頭は切り替わっていくけれど。


仕事の帰り、神社に寄った。

お守りを返納したかったのだ。

子供の受験の時に買ったのを、ず~っと返そうと思って

カバンに入れっぱなしになっていたものを

やっと今日返す気になって、立ち寄ったのだ。

(こういう所はほんとに神経質じゃないな~と思う。)


鳥居をくぐると、神社の中は薫風が吹き渡っていた。

ザ~っと木々が鳴る。

この神社は、20数年前私たちが結婚式を挙げた神社。

小さな神社だけど、そこそこ由緒もあるらしい。

古いお守りを返し、本殿にお参りをする。

やっぱり息子のことを祈っていた。

「神様、息子を守ってください。」


お参りし終わって、

息子のお守りを買おう!と思い立った。

(やっとお守りを返したのに、また新しいのを買ってしまったのだ。笑

                でも、目的が違うからいいよね。)


呼び鈴を押すと、出てきたのは

私達の結婚式を挙げてくれたあの神主さんだった。

(向こうは覚えていないと思うけど。)

「これでよろしいですか~?」と、

優しく対応してくださるお顔を見て、あの時よりもちろん年は取られたが、

私はなんだか涙が出そうになった。

そして、日々神にお仕えしている優しい眼差しのこの人に

「ね~ね~私の息子が学校辞めてしまって、

  しかもウツみたいになって、すごく心配なんですよ~。」と打ち明けたくなった。

でも、言わなかった。

きっと、もっともっと追い詰められていたら私は喋っただろうと思う。


その代わりに、

この人から手渡されたお守りを、有難く受け取り

2言3言、言葉を交わした。

お守りは、仕事用のカバンに付けた。

小さな鈴がちりんちりんと鳴るブルーのお守り。


今日お参りしてみて思ったのは、

何でもない日でも、神社って結構人が来るんだなということ。

私が入る時、60代くらいのご夫婦が来ていて、

二人で深々と鳥居のところで頭を下げていた。

私がお参りする前後も、何人かの人とすれ違い、

帰る時も、入れ替わりで若いお母さんにすれ違った。

...

みんな何を祈りにここに来るのだろうか?

手を合わせて、深く頭を垂れて、何を思うのだろう?


苦しいのは私だけじゃない。

みんなもいろいろあるんだ。

自分の力ではどうにもならない事、たくさんあるものね。

助けてほしいって思う時くらい、誰だってあるよね。

苦しいけどお互いがんばろうね。

何だか勝手にそんな心境になった。


私は最近は仏教の本を読んでいる。

でも今日は思いっきり神にすがっていた。

私の中では自然なことだ。


矛盾だらけだ。それでいい。

むちゃくちゃだけど、

それでいい。





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Re: No title

chakiさん、ありがとう。

娘さんも本当に大変だったんですね。
息子は辛そうな日もあるし、そうでない日も。
一日一日息子の状況によって、私も考えがころころと変わっていきます。
自分の中の固定概念をどんどん外していかなくてはならない時も。
揺れ動く中で、何かを決めていかなきゃならない。
気をつけているのは、決して独りよがりな決断にならないよう、周りと相談し、本人と相談し、
自分の気持ちと刷り合わせながらと思っています。
今は他の道が本当にいろいろあるんですね。
私も相談していろいろ教えていただきました。
高校にいけなくなる子がこんなにいるんだな~、とも。
複雑な心境でした。




No title

六花ちゃん、今の気持ち、とてもよく分かります。うちの娘も高校は出席日数足りなかったし、浪人時代は予備校に行けなくなったし。今思うと私は学校は行かなくてはならない場所だという呪縛にからまれていたと思う。でも、六花ちゃんの立場だったらやはり心配で、どうすればいいのか、何が正解なのかをきっといつも考えていると思います。あー本当に誰か教えてほしい。息子さんは苦しそうですか?それとも案外悩んでなさそうですか?今は高校に行かなくても他の道が沢山ある。そんな子たちのための学校もある。大検もある。就職して社会にでてまた学校に行き直す子も一杯いる。どんな道をさぐるのかを決めるのは息子さんだけど、どうか楽しそうにしてる姿をみせてくれるだけで母は幸せですよね。
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六花

Author:六花
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六花と申します。
10代の頃から神経質症に陥り
30代でうつになりました。
今は森田療法のおかげで、元気に暮らしております。
そんな体験からこのブログを始めました。
日本由来の森田療法を多くの方に知ってもらいたいと願っています。

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